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トップイベント第19回「磯の生物勉強会」(隠岐の島)報告

第19回「磯の生物勉強会」(隠岐の島)報告

2013年7月16日うみうしくらぶ念願の隠岐の島での磯の勉強会が開催された。今年の梅雨明けは早かったものの、不安定な気圧配置で前日の山陰地方は豪雨に見舞われた。ちょうど大阪伊丹空港で隠岐行きの飛行機を待っていた事務局はTVニュースで米子の洪水を知ってびっくり! 予定の便も隠岐空港を飛び立てずに折り返しの伊丹発も30分強の遅れという。折しも高速フェリーは鯨に衝突してしばらく欠航となっているから、前途多難の不安がよぎる。
事務局はやきもきしていたが、16日早朝のフェリーで大半の参加者が来られてホッとした。西郷港にほぼ全員が集合してジャンボタクシーで隠岐臨海実験所へ。加茂バス停から1.3Kmの徒歩というが、 海岸沿いの細い道を車は民家の間を縫うように走って実験所に到着した。

隠岐臨海実験所とパンディオン号

まず前所長の大津先生から概略を伺い、自己紹介。午後はプランクトン採集と観察。定員10人のパンディオン号で2回に分けてネットを引き、待っている間は桟橋近辺の磯で観察。小さなクロヅケガイがたくさんいる。ヒメアカイソガニもたくさん見つかるが、ハサミをピタッと合わせて死んだふりをするのがかわいい。 この辺りのカサガイはベッコウガサとヨメガガサがほとんどと教わる。

(左)クロヅケガイ、(中)ヒメイソガニ(池澤氏撮影)、
(右)ピタッとハサミを合わせて死んだふりのヒメイソガニ

(左)プランクトンネットの引き上げ(中)待っている間にアマモの観察
(右)下方に見える白い棒が灯台・その奥に実験所

1回目は湾内でネットを引き、2回目は湾からかなり沖へ出て引いた。実習室に戻り顕微鏡で観察した。最初は分けていたけれど、だんだん採集場所が不確かになっていた。コペポーダは動き回って記録がしにくく、他に放散虫、ゴカイの幼虫、ヤムシ、ヒドロクラゲなどなど。。。

夜は広橋先生とちょうど今日から研究にいらした神奈川大学の齋藤さん(以前、うみうし通信にブンブク類について寄稿していただいた)にも加わっていただいての懇親会。お願いして取り寄せていただいた地元の魚介類に舌鼓を打ちながら和気藹々と続いた。


二日目は曇りがちで絶好の磯観察日よりだが、強風注意報が出ているので湾外の航行は危険とのこと。予定を変更して湾内のアズキ島へ航る。。。

ワクワクしながらアズキ島へ渡航

上陸すると大きなフナムシに迎えられる。岩にはたくさんのウラウズガイやタマキビ、カメノテも多く優雅に蔓脚を開いている。カメノテは光刺激に敏感に反応して、手をかざすとさっと蔓脚を閉じ手を引っ込めるとすぐに蔓脚を開いてくる。 岩場で観察、シュノーケルで採集、とそれぞれ楽しんで引き上げる。採集したのはあまり多種ではなかったが、海藻や岩を持ち帰ってじっくり探すと小さいがいろいろなものが出てきた。 ウミウシ類もシロウミウシ、アオウミウシ、リュウモンイロウミウシ、クロシタナシウミウシ、アメフラシと見つかったが、今回の収穫は11cmにもなるミヤコウミウシだろう。磯の勉強会としても初期の南紀白浜で初めて見たミヤコウミウシ以来である!それもすごく大きくて感激した。 岩にはたくさんのウズマキゴカイが付いていたけれど、オカダウミウシは高岡のベテランをしても見つけられなかった。

(左)アズキ島の磯、(中)大きなフナムシ(池澤氏撮影)、(右)産卵中のミヤコウミウシ

(左)そこここに目に付くタマキビ、(中)カメノテ(水中では蔓脚が開いている)、(右)ウズマキゴカイ

夕方は広橋先生のご研究からのレクチャーでイカの精子についてのお話し。最初に、隠岐の島には島前にイカの神社があって浦郷の市場からは5種類のイカが利用できる。「イカの島」として研究の拠点にという先生の熱い思いを伺う。
生物には弱者の子孫繁栄術というのがあり、サクラマスは海に降りて体を大きくして繁栄したり、昆虫では環境によって雄が雌型化して繁栄、などあり、イカではどうか? イカはほぼ寿命1年。 雄は雌に精子の入ったカプセルを渡して、この精子を使って雌は受精卵を産む。普通、雄は雌の卵の出口近くにカプセルをおくが、横から小型の雄イカが雌の口の近くにカプセルを入れることがある。この小型のイカの精子はスニーカーと呼ばれ、普通の精子の1.5倍くらい大きく、 産卵には10%くらいスニーカーの精子が使われている、というお話し。スニーカーの特異な性質も面白く、種内に精子が2型あるというのも、初めて伺う話であった。

夜はウミホタル採集のトラップを仕掛けていただき、多量のウミホタルを採集して光のショーを楽しんだ。


三日目、最終日は観察の続きをして早目に片付け、掃除。昼食後に先生と技官さんに隠岐空港と西郷港に送っていただいて散会となった。
三日間好天に恵まれ、あこがれの「隠岐の島磯の勉強会」は新しい会員も迎えて無事に終了できた。
ひとえに広橋先生と大津先生、西崎技官さん、賄いの野津さんのお力添えです。皆様大変ありがとうございました。

その他の観察した生物

動物界

海綿動物門
ジュズエダカリナ?
同左拡大
カイメンの1種

撮影・Mr.Takuya Morihisa
 
刺胞動物門
ミズクラゲ

撮影・為貝和弘氏
ヒドロクラゲの仲間


 
 
シロガヤ

撮影・為貝和弘氏
  
 
ベリルイソギンチャク


ベリルイソギンチャク

撮影・Mr.Takuya Morihisa
ベリルイソギンチャク

撮影・池澤広美氏
 
オヨギイソギンチャク

撮影・池澤広美氏
ミドリイソギンチャク

撮影・為貝和弘氏
 
 
イソギンチャクの仲間


イソギンチャクの仲間

撮影・Mr.Takuya Morihisa
 
 
扁形動物門
ウスヒラムシ

撮影・rupi氏
カイヤドリヒラムシ

撮影・rupi氏
 
コケムシ動物門
ホソフサコケムシ

撮影・池澤広美氏
ホソフサコケムシ(個虫拡大)


アミコケムシの仲間


 
ミカドコケムシ

撮影・池澤広美氏
コケムシの仲間

撮影・Mr.Takuya Morihisa
コケムシの仲間


 
ハナザラコケムシ

撮影・Mr.Takuya Morihisa
コブコケムシの仲間


コケムシの仲間(拡大)


 
コブコケムシの仲間
コブコケムシの仲間(左拡大)
コブコケムシの仲間(同左)
 
軟体動物門
ニシキヒザラガイ
ヤスリヒザラガイ?
 
 
トマヤガイ
モシオガイ
 
 
ニッポンマメアゲマキ属の1種

撮影・rupi氏
ニッポンマメアゲマキ属の1種

撮影・rupi氏
ニッポンマメアゲマキ属の1種

撮影・rupi氏
 
ベッコウガサガイ


ベッコウガサガイ

撮影・rupi氏
 
 
オトメガサ


イシダタミ


クロヅケガイ

撮影・Mr.Takuya Morihisa
 
バテイラ
コシダカガンガラ
コシダカガンガラ
 
 
ウラウズガイ
ウラウズガイ
 
 
タマキビ


カコボラ


カコボラ(水中)

撮影・Mr.Takuya Morihisa
 
ハナズトガイの仲間
オオヘビガイ
 
 
エッチュウバイ(商品名は白バイ)
エッチュウバイ
レイシガイ
 
アメフラシ


アメフラシ(交接中)


シロウミウシ

撮影・池澤広美氏
 
アオウミウシ

撮影・為貝和弘氏
リュウモンイロウミウシ

撮影・池澤広美氏
クロシタナシウミウシ


 
ミヤコウミウシ

撮影・池澤広美氏
ミヤコウミウシ

撮影・Mr.Takuya Morihisa
キヌハダウミウシ


 
環形動物門
多毛類のネクトケータ幼生

撮影・為貝和弘氏
シボリイソメ


シボリイソメ頭部


 
ケヤリムシ

撮影・為貝和弘氏
ケヤリムシ

撮影・為貝和弘氏
ヒトエカンザシゴカイ

撮影・為貝和弘氏
 
ムツエダカンザシゴカイ棲管
ウズマキゴカイ
エゾカサネカンザシ
 
フサゴカイ科の棲管
フサゴカイ科(同左)
フサゴカイ科の1種(同左)
 
ゴカイの仲間(体長2.5cm)
同左(頭部)
同左(尾部)
 
ゴカイの仲間
同左(下・頭部 上・尾部)
同左(腹部)
 
節足動物門門
フタツメトックリウミグモ
ケンミジンコの仲間
クロフジツボ
 
カメノテ

撮影・池澤広美氏
カメノテの蔓脚開き(右端)


 
 
サンカクフジツボ


ウミホタル

撮影・Mr.Takuya Morihisa
ウミホタル

撮影・為貝和弘氏
 
フナムシ

撮影・池澤広美氏
ニホンコツブムシ

撮影・rupi氏
ハマトビムシの仲間

撮影・Mr.Takuya Morihisa
 
ヨコエビの仲間


ニッポンモバヨコエビ


ワレカラの仲間

撮影・為貝和弘氏
 
ケブカヒメヨコバサミ


ヨツハモガニ

撮影・Mr.Takuya Morihisa
 
 
遊泳中のイシガニの仲間

撮影・Mr.Takuya Morihisa
ヒライソガニ

撮影・Mr.Takuya Morihisa
イソガニ

撮影・Mr.Takuya Morihisa
 
ヒメアカイソガニ

撮影・池澤広美氏
ヒメアカイソガニ鉗脚

撮影・Mr.Takuya Morihisa
死んだふりのヒメアカイソガニ

撮影・池澤広美氏
 
ヒメアカイソガニ雌

撮影・Mr.Takuya Morihisa
  
 
棘皮動物門
ウミシダの仲間
  
 
イトマキヒトデ
ヤツデヒトデ
クモヒトデ幼生
 
ムラサキウニ
ウニの仲間(シラヒゲウニ?)
タコノマクラ
 
オオブンブク
ライオネスブンブク
 
 
脊索動物門
シロボヤ
ホヤの仲間
イタボヤの仲間(シモダイタボヤ?)
 
イタボヤの仲間

撮影・為貝和弘氏
オタマボヤの仲間

撮影・Mr.Takuya Morihisa
 
 

クロミスタ界

渦鞭毛植物門
ヤコウチュウ

撮影・Mr.Takuya Morihisa
  
 
放散虫門
ホウサンチュウの仲間
  
 
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