大人向け観察会「ウミウシの観察」を6月18日(土曜)に横須賀市自然・人文博物館付属 天神島臨海自然教育園(神奈川県)にて実施しました。
2020年から延期が続きましたが、今年、無事に開催することができました。大変お待たせいたしました!
中学生以上を対象とした大人向けの観察会で、当日の参加者は20名、四国、関西、近畿、北陸地方などの遠方からもご参加いただきました。
今回は、一つの動物群について深めていただくことを目的として、軟体動物の「ウミウシ類」に対象を絞った観察会を企画しました。横須賀市自然・人文博物館の学芸員である萩原清司さんを講師にお迎えし、レクチャーと磯でのウミウシ探しや観察を行いました。オプションとして、自然教育園の中の案内もしていただき、海岸から陸上まで広く学ぶことができた充実した1日になりました。
★観察会の様子★
はじめの挨拶のあと、レクチャーとして、天神島臨海自然教育園についてやウミウシ類(後鰓類)についてのお話をしていただきました。
自然教育園設立やこの海域が保護区となった経緯など、博物館や教育園の歴史についても知ることができました。ウミウシ類については、体の構造や餌生物などの基本的な説明から、毒を持つことや見つけ方のコツなどの説明までしていただきました。
そのあと園内の磯に移動して、いざ観察です。この日は曇天で、水中が見えやすい状態でした。ウミウシは太陽の光が弱い曇天の方が岩陰から出てきて活動するので、より見つけやすいそうです。
皆で水中を探しながら少しずつ進んでいきました。ウミウシ以外の生き物の説明なども現地でお聞きすることができ、それぞれに夢中で観察をしていました。
初めて自分でウミウシを見つけたという方もおられ、アオウミウシはじめオカダウミウシ、オトメウミウシ、サラサウミウシ、リュウモンイロウミウシなど多くのウミウシを観察することができました。
また、タツナミガイが非常に多く、触ると周辺が紫に染まるという状況になったことも多々ありました。
最後に集まって、参加者の皆さんが見つけたウミウシ類を容器に入れて観察をしながら、萩原さんに説明をしていただきました。いろんな説明が聞けたので、大変勉強になりました。
全部で15種(と1色彩変異型)が確認され、最近では一番の収穫だったそうです。
ウミウシ以外にも毒があるスベスベマンジュウガニ、ウミウシに間違えられやすいオトメガサとスカシガイ、ナマコの仲間なども説明を聞きながら観察をしました。
磯から戻って、一旦解散した後、オプションで詳しい説明をいただきながら天神島内の散策を行いました。
天神島には様々な植物や、三浦層群とよばれる地層など非常に面白い自然環境がみられ、散策がしやすいように整備されていて、とても面白い場所でした。
機会があればぜひ天神島臨海自然教育園に行ってみてください(動物や植物は観察だけでお願いします)。
今回、貴重な環境で多くのことを学ぶことができました。
お集りくださった参加者の皆さま、ありがとうございました!
そして、講師の萩原さんとスタッフの皆さまに改めてお礼申し上げます。
これからも大人向け観察会(年1回)を計画していきますので、ぜひご参加ください。