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2024年度の研究助成課題

2024年度研究助成課題の募集には、個別研究助成58件、育成研究助成34件の応募(合計92件)があり、その中から下記の個別9課題、育成4課題が採択されました。

 

育成研究助成は多数の応募があり、高い評価を得た課題が多かったことから、当初の予定より1件増やして採択が決定いたしました。

総評が課題一覧の下部にありますので、そちらもぜひご参照ください。

採択者ページ(書類様式等)

個別研究助成(1年間) ※研究者の所属等は申請時のものです。敬称略。

No.

氏名

所属

(共同研究者)

研 究 課 題

金額(円)

KO2024-01

松本 裕幸

東京農業大学大学院

亜寒帯域の海草藻場における局所的な熱波がホッカイエビに及ぼす影響評価と対応策の立案

700,000

KO2024-02

柴田 大輔

神奈川工科大学

 (幸塚 久典)

オーストンフクロウニ Araeosoma owstoni の生殖と発生

700,000

KO2024-03

宮地 亮佑

広島大学生物生産学部

 

ゼラチン質動物プランクトンがタルマワシ類の種分化に与える影響

700,000

KO2024-04

梶本 麻未

奈良女子大学大学院

 (豊田賢治)

寄生性フジツボ類フサフクロムシにおける宿主への定着機構の解明

700,000

KO2024-05

藤本 心太

山口大学大学院

 (山崎博史)

日本産胴甲動物の多様性研究

700,000

KO2024-06

髙山 佳樹

横浜国立大学大学院

 (水井 涼太、栢沼 勇魚)

世界最北端の造礁サンゴの群集構造と成長速度:相模湾真鶴半島における事例研究

700,000

KO2024-07

南條 完知

愛媛大学理学部

 (大場 裕一、戸篠 祥、

    別所 学)

ヒドロクラゲにおける未知なる発光種の探索と生物発光の進化

700,000

KO2024-08

高星 和浩

北海道大学理学院

原順列類(扁形動物門)の分布様式及び系統関係の解明

700,000

KO2024-09

金原 僚亮

東京大学理学系研究科

頭足類における二次的な交尾器”交接腕”の形成機構700,000

 

育成研究助成(2年間)

No.

氏名

所属学年

研 究 課 題

初年度

金額(円)

IKU2024-01

永井 優貴

東北大学大学院農学研究科 博士後期課程1年

水産業を介して世界に分布拡大した環形動物多毛類の移動の実態

1,000,000

IKU2024-02

大坂 雄一郎

東邦大学大学院理学研究科 博士後期課程1年

干潟環境中における多環芳香族炭化水素の浄化と多毛類との関係

1,000,000
IKU2024-03

上杉 佑人

東京大学大学院理学系研究科 修士課程1年

群れが捕食回避能力を向上させるメカニズムの解明  -ミナミコメツキガニ Mictyris guinotae を用いた群れの逃避行動実験-

1,000,000

IKU2024-04

平井 裕大

東京農業大学大学院地域環境科学研究科 

修士課程1年

マングローブ林のリターフォール動態に及ぼす巻貝キバウミニナの役割評価

1,000,000

 

 

【総評】

○個別研究助成

 プロジェクト的な研究なども見られ、研究者個人の研究に対する情熱や思いが行間に伝わるような申請書が少なくなったような気がします。遺伝子解析の技術などが進むなか、最先端の技術を使うことが目的になるのではなく、自分が知りたいことを明らかにするためにどうしても必要な手段として使うような課題を望みます。また、個別の申請課題として、修士論文や博士論文のような大きな課題に挑戦する申請が多く、とても魅力的な課題も多く認められます。しかし、ここでの申請では、表題、内容ともに単年度で解決できる、新規性があるような、具体的で確実性の高い課題に挑戦していただきたいと思います。

また、内容が非常に専門的に書かれているものもあり、専門分野以外の審査員にも理解できるような申請書になるよう心がけていただきたいと思います。

 

 本助成では水産分野も歓迎していますが、今回は特に応募が少なかったのが残念です。また、個別と育成全体に言えることですが、海外に出ていく、または目指すような課題が少なかったのも残念でした。海外の資料を使う際には、生物多様性条約のABSへの対応や対策ができているのかを合わせて申請書に記載いただきたいです。

 

○育成研究助成

 全体に研究がレベルアップしているように思われますが、フィールドに出たり、申請書を見てわくわくするような内容のものが減っているように思います。また、今回は学部生の申請が約40%を占めていましたが、博士課程に進学するのかが申請書や推薦書からは分からず、この助成を受けてその成果をしっかりと生かしていただけるのかが少し心配になります。一方で、推薦書から申請者の将来性や推薦者の熱意が伝わるものもありました。普段ご指導されている推薦者の方にも、ぜひその学生さんの将来性や資質が分かるようにご推薦いただければと思います。

 同じの研究室から複数の応募があることが多く、トレーニング的に使われているように思われます。使用計画が大雑把なものが多いので、審査時に具体的な計画が分からないものもあります。入門的な研究費申請なので、丁寧に誠実に申請することを心がけていただきたいと思います。

 

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